You ――二人称視点――
あなたは日帰り出張明けでバタバタとした一日を迎える。
水曜日という週の真ン中に日帰り出張をしたあなたは一週間のリズムが狂っていて,
明日が週末という意識がない。
職場には,あなたとチームメンバーとで共有している,予定書きなぐりのカレンダーがあるのだが,今年は月曜始まりタイプを使っている事も「今週はまだ始まったばかり」という感じを *増幅* していたのかも知れない。
明日は高校時分の“美術部仲間”との新年会だ。
あなたは美術部に属してはいなかったのだが,どういうワケか美術部連中と気が合い,卒業して 20年以上も経っているのに,定期的に会ってとりとめもなくダベって飲むのを楽しみにしている。
バタバタと仕事を終えて帰宅したあなたは帰るなり自室に籠り
昨日の RSS フィードの生成が *変* になっているのを修正する。
・“
明日”
・“
昨日”
というキーワードを自動でリンクする“仕掛け”にバグがあったのを,いつもの
土佐鶴を飲みながら修正する。
あなたはソレらのキーワードを意識しながら,就寝前のいつもの日課の“駄文”を書き連ね始める。
ソレに加えて“創作文芸の第四の視点”なるキーワードを“お題”に書いている。
// ちなみに主だった三つの視点は,一人称視点,限定的三人称視点,非限定的三人称視点だそうだ。
“苦悩のオレンジ,狂気のブルー”を読み始めて *触発* されたあなたは実験的に書き始めてみたものの (
土佐鶴の酔いも回ってきたのか),何がなんだかわからなくなってくる。
まずは三人称視点で書いてみるべきだったかと後悔するも,もはやあなたにはどうする事もできない。
困り果てるあなたは“視点”を意識する事も大事であるし“時世”を統一する事も大事であると気付く。
今までのあなたは何も考えずに文章をタレ流していた事に気付く。
それでもあなたは駄文を書かずにはいられない。
いつの日か,もう少しマシな文章が書ける事を願いながら,ともかくも“正気”を保つ為に,あなたがあなたである為に“出力”しつづける必要があるのだ。