赤いお星さま
『今晩,晴れてたら赤いお星さま一緒に観ようか』
と言っていたのを就寝時に思い出す
悠希。
明日は休みだし,少しくらいの夜更しは多目に見てやろう…と,一緒に庭に出て大接近中の火星を眺める。
『赤くない,橙色やん』
という
悠希。
唐突に,しごく真面目に,
『お父さんとお母さんは火星人やったのよ。アレは私達の星よ』
という由夏。
おいおい…,僕は地球生まれの地球育ちなんだけどなぁ…。
この先,ブラッドベリ風に情緒的にいくか,ディック的シミュラクラを展開するのか…。
火星人一家の天体観測の夜は更けるのであった…。